犬の病気と症状
嘔吐がある場合
元気な時にもお腹が空きすぎて嘔吐することがあります。ただし、吐き気がとまらず、食欲が落ちている場合はご相談ください。
- 考えられる病気
- 胃腸器疾患、肝臓病、腎臓病、食事性、中毒など
- 検査
- 血液検査、レントゲン検査、超音波検査、バリウム造影、内視鏡検査など
- 対処・治療
- 食事療法、点滴・注射、内服薬など
下痢をする場合
- ゆるい便を何度もする(しぶる)
- 水のような便をする
- 便にゼリーのようなもの、または血がついている
- 真っ黒でゆるい便をする
このような便が見られた場合、ビニール袋にそのような便を入れてご持参ください。
- 考えられる病気
- 食事性(フードの変更・食中毒など)、消化器疾患、感染症、腸閉塞、腎臓病など
- 検査
- 糞便検査、レントゲン検査、血液検査、超音波検査、バリウム造影、内視鏡検査など
- 対処・治療
- 点滴・注射、内服薬、食事療法など
おしっこの異常がある場合
- 何回もおしっこの格好をするけど出ていない
- 赤い尿が出た、尿に血が混じる
- おしっこをポタポタ垂らす
- おもらしする
このような場合はお早めにご相談下さい。
- 考えられる病気
- 膀胱炎、結石症、腎臓病、糖尿病、前立腺肥大(オス)、子宮疾患(メス)など
- 検査
- 尿検査、レントゲン検査、血液検査、超音波検査など
- 対処・治療
- 点滴・注射、内服薬、食事療法、外科手術など
咳をする場合
- 咳をしたあとに吐くような仕草をする
- 寝ていて咳で起きる
- 散歩を嫌がり動こうとしない
- 上を向いて苦しそう
- 息がゼーゼーいう
このような症状が見られる場合、心臓や呼吸器に問題がある可能性が高いため、早めの受診をお勧めします。
また動画撮影を行っていただきますと、診察で大変参考になりますのでぜひご持参ください。
- 考えられる病気
- 心臓病、気管支炎・肺炎、気管虚脱、感染症、腫瘍など
- 検査
- レントゲン検査、血液検査、超音波検査、心電図検査など
- 対処・治療
- 点滴・注射、ネブライザー、内服薬など
からだがかゆい(かゆがる)場合
ワンちゃんは、常に毛づくろい(グルーミング)をして体をきれいに保っています。
しかし、
- 一ヶ所だけをずっとかんでいる・なめている
- 体に赤いブツブツができている
- フケが多くなってきた
- 脱毛しているところがある
このような場合はご相談ください。
- 考えられる病気
- アレルギー、寄生虫(ノミ・ダニ)、膿皮症(のうひしょう)、真菌症(しんきんしょう)など
- 検査
- 皮膚被毛検査、アレルギー検査、培養検査、血液検査など
- 対処・治療
- 内服薬、外用薬(塗り薬・駆虫薬など)、薬浴、食事療法、注射など
薬浴について、詳しくは「薬浴 〜メディカルシャンプー・トリミング〜」をご覧下さい
できものがある場合
できものといっても、しこり・ぶつぶつ・かさぶた・タコなど様々なできものがあります。また、しこりのなかには悪性腫瘍もあります。それぞれはみた目だけでは判断することは難しいため、見つけた場合はすぐにご相談ください。
- 考えられる病気
- 腫瘍(脂肪腫・肥満細胞腫など)、アレルギー、寄生虫(ノミ・ダニ)、膿皮症(のうひしょう)など
- 検査
- 細胞診検査、レントゲン検査、血液検査、超音波検査など
- 対処・治療
- 外科手術、内服薬、外用薬、注射など
歩き方がおかしい場合
- 地面に足が着けない
- 足を引きずっている
- フラフラしている
- 足を伸ばす仕草をする
このような場合、関節が痛かったり、骨が折れている可能性がありますのでご相談ください。
- 考えられる病気
- 骨折、脱臼(膝蓋骨しつがいこつ・肩関節など)、関節疾患、椎間板ヘルニアなど
- 検査
- 触診、歩様検査、レントゲン検査、血液検査など
- 対処・治療
- 外科手術、注射、内服薬、サプリメントなど
けいれんが起きた場合
けいれんは、全身性に起こる場合と体の一部で認められることがあります。
突然、全身が硬直して倒れバタバタ暴れる、ピクピクと手足や目の周りが動くなどがあります。このような症状は、てんかんでよく認められますが、他の病気でも起こりますのでご相談ください。動画は診察で大変参考になりますのでご持参ください。
- 考えられる病気
- てんかん、脳障害(水頭症・炎症・腫瘍など)、循環器疾患、腎臓病、中毒など
- 検査
- 神経学的検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、心電図検査、MRI検査など
- 対処・治療
- 内服薬、点滴・注射など
(獣医師 森下豪 監修)